お久しぶりです。
もうすでにご存知の方は多いと思いますが今シーズンから監督に就任させて頂きましたので改めてそれまでの経緯を記させていただきたいと思います。
なぜ選手を引退したのか?
正直のところフットサルというスポーツがとても好きだったので大学院まで続けるつもりで在籍していました。
しかし、チームを再建するために何が必要なのか真剣に考えた結果、結局自分が全力を尽くして選手として頑張ったところで自分が居なくなれば組織は再び崩れ、自分の努力が無駄になる未来しか見えなくなりました。
仮に再びこのチームが短期的な栄光を手に入れても、長期的な栄光を手にすることは出来ないということにずっと頭を悩ませていました。
だから自分が選手として引退することで後輩により多くの経験を積ませることが最善だと思い、それ以外のこと(組織マネジメント等)に注力すべきという結論に至りました。
1年の休学
休学中、ITベンチャー企業で複数社インターンをさせていただいて、多くのことを学び、気づきを得ました。
ビジネス的な視点で自分がなんで今まで上手くいかなかったのかを俯瞰的に見ることが出来ました。
また、インターンを通して身に付けたITスキル(Webマーケティング、プログラミング、設計等)はまさに今僕が書いているこのブログ(ホームページ)にも生かされていますし、戦術を考えたり組織マネジメントをする上でも大いに役立っています。
フットサルへの復帰
一度はフットサルは完全に引退しようと心に誓いましたが少し時間が立つと無性にボールを蹴りたくなり自然と公園でボールを蹴っていました。
結局、気付いたら休みの日に個人フットサルに行って楽しくボールを蹴っていて、結局自分は死ぬまでフットサルから離れることは出来ないのだと思いました笑
でもなんとなく自分の中でテックの活動に参加しないで別のコミュニティでボールを蹴っていることに少し後ろめたさを感じていて、テックにもう一度もどろうという気持ちが徐々に芽生え、都合のあうときはテックの活動に参加して、戦術コンサルをしていました。
ブログでのアウトプット
昨年末からブログやSNSを通して戦術のアウトプットを開始するためにフットサル戦術メディア フットテックを立ち上げました。
正直、なんでもっとはやくやらなかったのだろうと思うくらい最高に良い決断でした。
公の場でアウトプットするのは生半可な理解では出来ないのでネットの情報、参考書、オンラインサロン、未公開資料、あらゆるものを使って勉強し、それらをアウトプットすることでフットサルを体系的に理解出来るようになりました。
それがきっかけで他大学やFリーグでの監督経験のある方とお話する機会を頂きさらなるステップアップを図りました。
フットサルへの理解は定量的に測ることは出来ませんが、僕は僕のものさしでフットサルをシンプルに捉え整理できています。
お陰様でクワトロのブログは見頃、「フットサル クワトロ」で検索順位一位を獲得し、今一番多くの人に読んでいただいています。
今後ともフットテックを宜しくおねがいします。
監督をやろうと思った理由
フットサルを真剣に勉強して、自分が現役のとき如何にフットサルを理解できていなかったか痛感しました。
(今思え返すと、勝手に理解していた気になっていただけで、本質は何も分かっていなかった気がします。)
インターンの経験、ビジネス書に加えフットサルの理解も深まり、テックを再建させる一筋の光(希望)が差し込みました。
正直のところ、僕は監督になりたくて監督になったわけではありません。
このチームを建て直したいという強い想いに駆られて能動的に動いていたら、自分のやっていたことは監督業だっただけの話です。
根拠のない自信ではありましたが、今年の2月にこのチームに戻ることを決心し、後輩に頭を下げて少しずつ着手していきました。
実はこのときも監督をやりたいとは後輩に一言も言っていません。
(プレーモデルを考え、指導したいという主旨を伝えました。)
ただ、暫くしてこのチームを再建させるためには絶対に監督というポジションが必要だと感じたのでその肩書を責任を持って頂きました。
今現在東京都大学フットサルリーグ所属のチームの7割は監督がいることを考えると、監督はいるべきだと思うし、外部の方とやりとりさせて頂く際にもこの肩書は絶対必用です。
組織改革(ファンダメンタル)
戦術(テクニカル)云々より前に、このあと記すプレーモデルを考える上でもまずは組織(ファンダメンタル)の改革が必要だと感じ、幹部と活動理念と行動規範、部則の制定を行いました。
活動理念と行動規範は弊部のホームページのABOUTに記したので見て頂けると幸いです。
今までのTokyo Tech.はサークルの側面が強く部活を無断でサボる人が多かったため部則を全員が守ってくれるようになれば指導がかなり楽になると思います。
また、係の引き継ぎの際には口頭だけでなく引き継ぎ書を残すことを徹底させるようにしました。
今までの組織は所属する人の素質に依存するフロー型の組織であったのに対し、これからは入ってきた人が今までのことをしっかり引き継いだ上で更に積み上げて行くストック型の組織にしたいと考えています。
この考え方はファンダメンタル(組織面)だけではなくテクニカル(戦術面)でも意識していて文字、画像、動画等の媒体(pdf、ブログ、Youtube等)で残すことで代替わりをしてもチームとして残ることを意識しています。
悪しき風習を断ち、良いものをどんどん取り入れて組織を進化させ10年後、20年後も継続して体制を維持できる組織を目指したいと考えています。
プレーモデル(テクニカル)
近年のフットボールではプレーモデルを用いて指導するチームが急激に増えてきました。
この1年僕はインターネットや参考書を通してフットボールことについて多くのことを学びましたが、やはり本気で上を目指したいのであればプレーモデルは絶対に必要だと感じました。
現に関東で上位に位置している強豪チームはどこもプレーモデルが存在することから確信しました。
Tokyo Tech.に導入するプレーモデルは典型的な弱者の闘い方を踏襲した戦略的なモデルです。
ビジネスの世界でよく使われる弱者が強者に勝つ戦略としてランチェスター戦略というものが存在し、その考え方も継承しています。
自分たちの強みを作り、自分たちの得意なフィールドに持ち込む局地戦で勝利を目指します。
F1クラブ(フウガドールすみだ、シュライカー大阪)や他大学(多摩大学、東京大学、桐蔭横浜大学)だけでなく欧州のサッカークラブ(マンチェスター・シティ、リヴァプール、ナポリ等)の哲学も応用してオリジナルで作成しました。
プレーモデルの一部を公開しているので興味のある方はご覧ください。
どのように指導するのか?
僕の指導の仕方は普通の監督とは少し違うと思います。
インプットとアウトプットのバランスを意識し、フットサルの理論やプレーモデルを理解してもらうことを狙いに指導します。
基本的に理論的な内容は全て文字、画像、動画で残し指導前にあらかじめ共有し、指導後いつでも選手が振り返れるスタイルをとります。
そして、一度説明した内容は極力選手に指導させたり質問させることで、選手にアウトプットさせる機会を与えます。
毎練習、膨大な時間を割いてこの資料を作成しています。
(平均して10時間以上)
なので部活の時間よりパソコンに向かって資料を作ったり準備する時間の方が圧倒的に長いです。
ただ、選手に最高の練習環境を提供するために指導者が最高の準備をすることが重要ということは木暮さんも仰っていたので僕にはこのやり方がしっくりきます。
また、このやり方には選手を自立させたいという狙いがあります。
ベストセラーの嫌われる勇気で『馬を水辺に連れて行くことできるが、水を呑ませることはできない』という言葉があるように結局のところ、監督は選手に機会を与えることしかできず、やる選手が能動的にやらなければ意味がないと思っています。
つまり、選手と監督の課題を分離して考えることが一番の近道だと考えています。
どんなチームにしたいか?
活動理念やプレーモデルを表現できるチームにするのは勿論ですが、僕の中で重視している概念(思想)が一つあります。
No1ではなくOnly1
スポーツなので勝ち負けは絶対に付いてしまいますし、相対的な要因で決定される勝ち負けをコントロールすることは非常に難しいです。
ただ単に勝ちに執着して大学カップで優勝を目指すのはあまり好きではないです。(勿論No1にもなりたいですし、No1はOnly1になるための十分条件だと思っています。)
そしてスポーツ推薦をとっているような強豪校を差し置いて1学年千人程度しかいない国立大学が優勝するというのは現実的ではないです。(もちろん不可能ではないですが)
では具体的にどのようなことを達成すればOnly1なのでしょうか?
おそらく、こんなことをやっているチームは全国で僕らだけでしょう。
これだけでも十分Only1だと思っています。
フットサル界にサプライズを与えられるような唯一無二なチームを作っていきたいと思います。
任期(いつまでやるのか?)
特に決めていませんが、自分が納得がいくまで続けたいと考えています。
極論、僕の心が折れて無理だと思ったら3ヶ月で辞めてしまうかもしれません。
ただ、10回説明しても選手はわからないものだというくらいな寛容な気持ちでやっているのですぐに辞めることはほぼないと思います。
僕は来年卒業して就職してしまいますの一旦今シーズン限りで任期を終了させるつもりです。
就職後、指導する余裕があれば後輩と相談した上で任期を延長し再度ご報告させて頂きます。
学生のうちに組織の基盤を築き、選手を自立させ、卒業後は軽くコンサルするだけで良いような組織体制を1年で築きたいと考えています。
(個人的には休日の娯楽(趣味)程度で少しでも指導出来ればと考えています。)
選手としての復帰
ご存知の通り左膝の怪我が完璧に完治出来ていませんが、一時的な選手としての復帰も考えています。
理由は弊部は昨シーズン、思うような活動が出来ず選手のリソースが全く足りていないからです。
自分としては監督に専念したいので極力プレーすべきではないですが少なくとも新歓が落ち着くまでは自分が試合にでないと厳しいと判断し、選手登録をする決意をしました。
ただ、本業が監督であることが忘れないようにしたいと思います。
監督ブログはじめます
正直、書きたいことはこれ以外にも山程あり、とても一度には書ききれないので、監督ブログという形で定期的にブログを書かせていただきます。
基本不定期(月に最低一回)書きますが、公式戦の前後でも戦評等を短く書きたいと思っています。
監督ブログでは主に以下の内容のような書こうと考えています。
- ビジネスとフットサル
- 心理学とフットサル
- 外資系企業から学ぶ組織
- フットサルを熱く語りすぎて面接(就活)で落とされた話
- ITとフットサル
- 統計学(データサイエンス)とゲーム分析(スカウティング)
- 食事と睡眠がフットサルに及ぼす影響
もし興味がございましたらお手すきの際にお読みいただけると幸いです。
最後に
僕は社会人チームやインカレサークルでプレーする選択肢を持ち合わせながらテックを選びました。
その理由はこのチーム(テック)で闘いたいという想いが強いからです。
幹部のとき自分はテックでは何も残せなかったし、不完全燃焼で終わった部分がかなり大きく、自分の中では未練があります。
ときにはチームを崩壊させてしまったのは自分のせいだと責めてしまい悲観的になってしまうこともありました。
関東リーグで負けて帰宅後、悔しくて泣いていたこともありました。
でも過去をいくら悔やんでも仕方がない「過去は変えられないけど未来は変えられる」と前を向き続けました。
自分が死ぬときに後悔しないように、胸を張れるようにこのチームに最後の学生生活、いや人生を賭けたいと想います。
そして、テックにとって最高の監督であり続けたい。
応援よろしくおねがいします。